ここでは、見付天神 矢奈比賣神社の例祭「見付天神裸祭」について記述しています。
見付天神裸祭日程
令和7年 見付天神裸祭日程
9月21日(日) | 祭事始・御斯葉下ろし |
9月24日(水) | 浜垢離 |
9月26日(金) | 御池の清祓い |
9月27日(土) | 例祭・裸祭 |
9月28日(日) | 還御 |
令和8年 見付天神裸祭 日程
9月13日(日) | 祭事始・御斯葉下ろし |
9月16日(水) | 浜垢離 |
9月18日(金) | 御池の清祓い |
9月19日(土) | 例祭・裸祭 |
9月20日(日) | 還御 |
天下の奇祭
天下の奇祭と称される矢奈比賣神社の例祭は、「見付天神裸祭(みつけてんじんはだかまつり)」であり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
例祭の夜に行われる「鬼踊り(おにおどり)」が広く知られていますが、実際は8日間にわたるお祭りです。主には、祭事始・御斯葉下ろし・浜垢離・御池の清祓い・例祭・裸祭・還御で構成されています。
その起源は、花園天皇の正和年間より始まったと伝えられており、毎年旧暦の8月10日にあわせて斎行します。
当祭典につきましては、こちらの 見付天神裸祭保存会 ホームページも あわせてご覧下さい。
見付天神裸祭 紹介動画
祭事始め
祭の始まりを告げる
午後2時40分頃、矢奈比賣神社拝殿にて出向の旨を奉告し、旧社地である元宮天神社へと向かう。元宮天神社にて、これからの8日間に亘る例祭の始まりを奉告する。
道中、宮司は神の依り代としての榊を奉じ、参進する。
古来、この行事は人目を避けて、一言も発せずに行われていた。
現在でも、出発から神事を終えるまでは、一切無言で執り行われている。
御斯葉下ろし
町を浄める
午後9時45分ごろ、拝殿にて祝詞奏上後、神職から先供に榊が手渡される。
午後10時丁度、煙火1発を合図に見付全域で全ての灯火が消され、町内の清め祓いが始まる。
白装束の神職・先供を先頭に、氏子たちが続く。
この行列は暗闇の中、「オシ、オシ」の掛け声と共に町内を走りながら移動し、清め祓いをして行くのだ。
はじめに、社務所前にて先供が榊を立て、神職が饌米を上げ、祓いの祝詞を奏上する。その間、随行の者は地面に座って候する。
奏上後、「マイロー」の声により、皆が立ち上がり、「オシ、オシ」と次の場所へ走り出す。これは全13箇所にて行われる。
清祓いの場所は ①社務所・②大鳥居・③出口の井戸・④愛宕下・⑤元門・⑥三本松御旅所・⑦東坂梅ノ木・⑧総社門・⑨西坂梅ノ木・⑩河原入り口・⑪横町土橋・⑫境松御旅所・⑬虎屋前である。
浜垢離
身を浄める
午前 9時20分頃、拝殿にて浜垢離出立を奉告した後、福田の海岸へと進む。
注連縄を張り巡らした斎場にて、まず放生会(ほうじょうえ)の神事を執り行う。
これは、「命の魚(めのうお)」を放つ事により、殺生の罪を祓う行事である。そうすることで、今年の祭りも賑やかく盛大に行えるように祈るのだ。
放生が終わると、浜へと移動する。まず神職が海に向かい鉾を左右左と振る。その場に、鉾を始め榊等を立て、斎場とする。
海浜修祓では、海と御祓いの神様を迎え、祝詞を奏上する。後に小祓い(小さなお祓いの串)により、各自のお祓いをする。
神事が終わると、神職より先供・輿番・町の人々がそれぞれ海に入り、海水を浴びて心身を清める。
浜での清めが終わると、松原に戻り、直会となる。
この浜垢離は見付地区の全町が参加する行事で、当日の浜は大変賑わっている。
御池の清祓い
境内を浄める
午後8時より、境内の御池の前に斎場を設け執り行う。
清め祓いの祝詞を奏上後、神職は大麻・塩湯・砂により、境内および各建物をお祓いしてまわる。境内をお祓いし、参道から大鳥居を抜けて宿場通りまでが行程である。
境内が済むと、次は榊を用いた小祓いで参列者が各々を祓う。
大祭が始まってより、例祭・裸祭にいたるまで、祓いに祓い、清めに清めた上での祭である。
例祭
大神に感謝する
祓所にて修祓を行った後、拝殿に参進し、午前10時より例祭を執り行う。一年で最も重要な祭であり、荘厳さを極める。
その中では見付地区より選ばれた舞姫が「浦安の舞」を奉納する。
例祭後は境内社祭・輿番清め祓い・御神霊御遷祭等のお祭りを経て、夜の裸祭を迎える。
裸祭
天下の奇祭
「腰蓑を着けた裸の男達が狂喜乱舞する。」これが天下の奇祭の由縁である。
午後6時、煙火の合図により見付町内は交通規制される。時を同じくして子供達の練りが各町から出発し、神社へ向かう。
午後9時からは大人達の練りとなる。西・西中・東中・東の四つの梯団が町を練りながら進行する。梯団はそれぞれ決められた順路に従い刻限どおりに進み、見付天神へと向かう。
午後11時過ぎになると、西区より西中区・東中区・東区と、裸衆が一定の時間差をつけて見付天神の拝殿に飛び込む。これを「堂入り」といい、拝殿内で勇壮に練るさまを俗に「鬼踊り」という。
鬼踊りが最高潮に達する中、八鈴が打ち鳴らされ、いよいよ神輿が出御する時を迎える。漆黒の闇に包まれた拝殿内の裸の練りを割ってお出ましになった御神霊は、お供を従えて総社(淡海國玉神社)へとお渡りになる。
還御
神さまのおかえり
一夜明けて午後4時40分頃、還御奉告祭の後 御神霊が出御する。大神が見付地区氏子の暮らしをご覧になるのだ。先供を先導に提灯・猿田彦・お道具等を始め、行列は300人程度で構成される。
西坂町・河原町・東坂町の御神酒献上、境松・三本松のお旅所祭を経て、午後7時30分頃見付天神へと至る。
神輿は拝殿の周りを廻り、拝殿前にて上下に大きく振られる。いわゆる御神霊振り(みたまふり)である。それが終わると拝殿内に入り、御神霊をご本殿に遷し、還御後本殿祭を執り行う。そうしてこの8日間にわたる祭りは終わりを告げるのだ。