東風吹かば

匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ


見付天神裸祭 (国指定重要無形民俗文化財)

 矢奈比賣神社の例祭は、「見付天神裸祭(みつけてんじんはだかまつり)」であり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
 その起源は、花園天皇の正和年間より始まったと伝えられ、毎年旧暦の8月10日にあわせて斎行します。
 例祭の夜に行われる「鬼踊り(おにおどり)」が広く知られていますが、実際は8日間にわたるお祭りです。主には、祭事始・御斯葉下ろし・浜垢離・御池の清祓い・例祭・裸祭・還御で構成されています。



平成29年 見付天神裸祭日程は以下の通りです。
期日 祭典名
9月17日 祭事始(さいじはじめ)
御斯葉下ろし(みしばおろし)
9月20日 浜垢離(はまごり)
9月22日 御池の清祓い(みいけのきよはらい)
9月23日 例祭(れいさい)
9月23日
~24日
裸祭(はだかまつり)
9月24日 還御(かんぎょ)
 

祭事始(さいじはじめ)   旧暦8月2日

 午後2時40分頃、矢奈比賣神社拝殿にて出向の旨を奉告し、元宮天神社へと向かう。

 元宮天神社では、これからの8日間に亘る例祭の始まりを奉告するのだ。

 道中、宮司は神の依り代としての榊を奉じ、参進する。

 古来、この行事は人目を避けて、一言も発せずに行われていた。現在でも、出発から神事を終えるまでは、一切無言で執り行われている。


             

御斯葉下ろし(みしばおろし)  旧暦8月2日

 午後9時45分ごろ、拝殿にて祝詞奏上後、神職から先供に榊が手渡される。

 午後10時丁度、煙火1発を合図に見付全域で全ての灯火が消され、町内の清め祓いが始まる。

 白装束の神職・先供を先頭に、氏子たちが続く。

 この行列は暗闇の中、「オシ、オシ」の掛け声と共に町内を走りながら移動し、清め祓いをして行くのだ。

 はじめに、社務所前にて先供が榊を立て、神職が饌米を上げ、祓いの祝詞を奏上する。その間、随行の者は地面に座って候する。

 奏上後、「マイロー」の声により、皆が立ち上がり、「オシ、オシ」と次の場所へ走り出す。これは全13箇所にて行われる。

 清祓いの場所は ①社務所・②大鳥居・③出口の井戸・④愛宕下・⑤元門・⑥三本松御旅所・⑦東坂梅ノ木・⑧総社門・⑨西坂梅ノ木・⑩河原入り口・⑪横町土橋・⑫境松御旅所・⑬虎屋前である。


             

浜垢離(はまごり)       旧暦8月5日

 午前 9時20分頃、拝殿にて浜垢離出立を奉告した後、福田の海岸へと進む。

 注連縄を張り巡らした斎場にて、まず放生会(ほうじょうえ)の神事を執り行う。


 これは、「命の魚(めのうお)」を放す事により、殺生の罪を祓う行事である。そうすることで、今年の祭りも賑やかく盛大に行えるように祈るのだ。

 放生が終わると、浜へと移動する。まず神職が海に向かい鉾を左右左と振る。その場に、鉾を始め榊等を立て、斎場とする。

 海浜修祓では、海と御祓いの神様を迎え、祝詞を奏上する。後に小祓い(小さなお祓いの串)により、各自のお祓いをする。

 神事が終わると、神職より先供・輿番・町の人々がそれぞれ海に入り、海水を浴びて心身を清める。

 浜での清めが終わると、松原に戻り、直会となる。

 この浜垢離は見付地区の全町が参加する行事で、当日の浜は大変賑わっている。


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御池の清祓い(みいけのきよめはらい)旧暦8月9日

 午後8時より、境内の御池の前に斎場を設け執り行う。

 清め祓いの祝詞を奏上後、神職は大麻・塩湯・砂により、境内および各建物をお祓いしてまわる。境内をお祓いし、参道から大鳥居を抜けて宿場通りまでが行程である。

 境内が済むと、次は榊を用いた小祓いで参列者が各々を祓う。

 大祭が始まってより、例祭・裸祭にいたるまで、祓いに祓い、清めに清めた上での祭である。

 

例祭(れいさい)         旧暦8月10日

 午前10時、祓所にて修祓を行った後、拝殿に参進し、例祭を執り行う。一年で最も重要な祭であり、荘厳さを極める。

 その中では見付地区より選ばれた舞姫が「浦安の舞」を奉納する。

 例祭後は境内社祭・輿番清め祓い・御神霊御遷祭等のお祭りを経て、夜の裸祭を迎える。

 

裸祭(はだかまつり)  旧暦8月10~11日

子供連

 午後6時、煙火の合図により見付町内は交通規制される。時を同じくして、各町から子供連(子供たちの裸の練り)が出発する。子供連は、見付天神拝殿前にて練り、総社へ向かい、7時過ぎには各町へ戻る。

宵祭

 午後9時の煙火とともに、西・西中・東中・東の四つの梯団が町を練りながら進行する。梯団はそれぞれ決められた順路に従い刻限どおりに進み、見付天神へと向かう。

堂入り

 午後11時過ぎになると、西区より西中区・東中区・東区と、裸衆が一定の時間差をつけて見付天神の拝殿に飛び込む。これを「堂入り」といい、拝殿内で勇壮に練るさまを俗に「鬼踊り」という。

渡御

 裸の練りが狂喜乱舞する中、〆切の堂入りに合わせ、拝殿奥では神輿の渡御奉告祭を行う。そして八鈴が打ち鳴らされ、いよいよ出御の合図となる。神職は一足早く山神社前へ移動し出立の祭りをする。祭の中では、渡御を町に知らせる一番触・二番触・三番触が告げられ、二番目の煙火により見付町内はすべて消灯し、暗闇となる。

 その後、拝殿内の裸の練りを割ってお出ましになった御神霊は、漆黒の闇の中、お供を従えて総社(淡海國玉神社)へとお渡りになる。


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還御 (かんぎょ)   旧暦8月11日

 一夜明けて午後4時40分頃、還御奉告祭の後 御神霊が出御する。先供を先導に提灯・猿田彦・お道具等を始め、行列は300人程度で構成される。

 西坂町・河原町・東坂町の御神酒献上、境松・三本松のお旅所祭を経て、午後7時30分頃見付天神へと至る。

 神輿は拝殿の周りを廻り、拝殿前にて上下に大きく振られる。いわゆる御神霊振り(みたまふり)である。それが終わると拝殿内に入り、御神霊をご本殿に遷し、還御後本殿祭を執り行う。そうしてこの8日間にわたる祭りは終わりを告げる。


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